プラチナバンドとはなにか?

プラチナバンドとはなにか?

携帯電話会社には、以下のなかから複数の周波数帯が割り当てられています。

  • 700MHz
  • 800MHz
  • 900MHz
  • 1.5GHz
  • 1.7GHz
  • 2.0GHz
  • 3.5GHz
  • 3.7GHz
  • 4.5GHz
  • 28GHz

このうち700MHz帯から900MHz帯を、「プラチナバンド」と呼びます。プラチナバンドは携帯電話がつながりやすい周波数帯であるため、どの携帯電話会社も大切に扱っています。

プラチナバンドが持つ3つの特徴やメリット

通信事業者がプラチナバンドを重視する背景には、他の周波数帯では容易に得にくいメリットがあるためです。一方でプラチナバンドには、他の周波数帯に劣る点もあります。プラチナバンドにはどのような特徴やメリットがあるか、3つの観点から確認していきましょう。

室内やビルの谷間、地下でも電波が届きやすい

携帯電話での通信に欠かせない電波は、周波数が高いと直進性が高くなり、山やビルなどの障害物があると届きにくくなります。屋内や地下に電波が入りにくいことも難点です。

一方でプラチナバンドは他の周波数帯よりも周波数が低いため、障害物があっても回り込みやすくなっています。山やビルなどの影にあたる場所、また屋内や地下でも、他の周波数帯より電波が入りやすくなっています。都市部では室内やビルの谷間、地下街などで通話・通信する機会もよくありますが、このような場所でも電波が届きやすいことはプラチナバンドの大きな強みです。

より少ない基地局でエリアをカバーできる

プラチナバンドは他の周波数帯よりも低いため、減衰しにくいことも特徴です。このため見通しの良い地域であっても、1つの基地局で広いエリアをカバーできます。

同じ面積の自治体なら、プラチナバンドのほうがより少ない基地局でエリア全体をカバーできるというわけです。基地局の設置コストやランニングコストを削減しながら通信の品質を上げられることは、携帯電話会社と利用者の双方に大きなメリットをもたらします。

送受信できる情報量は他の周波数帯よりも少ない

プラチナバンドの周波数帯は他と比べて低いため、一定の時間内に送受信できる情報量は他の周波数帯よりも少なくなっています。同じ量のデータを送るためには、他の周波数帯よりも長い時間を要します。

もっとも少量のテキストデータや音声のやり取り程度であればデータ量が少ないため、プラチナバンドでの通信でも十分速いでしょう。そもそも電波が届かなければ、通話も通信もできません。この点で、プラチナバンドは他の周波数帯よりも優れています。

プラチナバンドはなぜ必要なのか?

プラチナバンドはなぜ必要なのか?

携帯電話会社にとって、エリア内ならどこにいてもつながりやすいことは重大な関心事です。利用者は見通しの良い場所だけでなく、ビルの谷間や室内にいるケースもよくあるためです。

このような場所にいる方の場合、プラチナバンドでの通信はつながりやすいです。一方で、プラチナバンドよりも高い周波数帯は相対的につながりにくくなります。プラチナバンドを持たない携帯電話会社は、「つながりにくい」と言われてしまうでしょう。評判が悪くなれば競争しても不利になりやすく、シェアも下がってしまいます。

通信キャリアの一角として存在感を示し、利用者に豊富な選択肢を与えるためにも、楽天モバイル回線がつながりやすいことは重要です。このため楽天モバイルは、プラチナバンドの割り当てを繰り返し求めてきました。

周波数帯の割り当て状況

周波数帯を携帯キャリア4社へどのように割り当てているかは、総務省から「4G、LTE」「5G」に分けて公表されています。まず4GやLTEの周波数帯がどのように割り当てられているか、以下の一覧表で確認していきましょう。これまで楽天モバイルに割り当てられていた帯域は1.7GHz帯のみとなっており、他社よりも少ない状況でした。


事業者\周波数帯 700MHz帯
(バンド28)
800MHz帯 900MHz帯
(バンド8)
NTTドコモ バンド19/26を使用 -
KDDI/沖縄セルラー(au) バンド18/26を使用 -
ソフトバンク -
楽天モバイル - - -


事業者\周波数帯 1.5GHz帯 1.7GHz帯
(バンド3)
2.0GHz帯
(バンド1)
3.5GHz帯
(バンド42)
NTTドコモ バンド21を使用
KDDI/沖縄セルラー(au) バンド11を使用
ソフトバンク バンド11を使用
楽天モバイル - - -

一方で5Gへの割り当て帯域は、他のキャリアと比べて極端に少ないわけではありません。楽天モバイルには、3.7GHz帯と28GHz帯が割り当てられています。


事業者\周波数帯 3.7GHz帯 4.5GHz帯
(n79)
28GHz帯
(n257)
NTTドコモ n78を使用
KDDI/沖縄セルラー(au) n77、n78ともに使用 -
ソフトバンク n77を使用 -
楽天モバイル n77を使用 -

楽天モバイルが新しく取得したプラチナバンドは、700MHz帯です。4GやLTEを中心にした周波数帯ですから、多くの利用者が恩恵を受けられるでしょう。

楽天モバイルは2023年10月23日にプラチナバンドを取得

楽天モバイルは2023年10月23日に、総務大臣よりプラチナバンドの割り当てを受けました。総務省は楽天モバイルに割り当てた帯域を、以下のとおり公表しています。


項目 割り当てた帯域
基地局が使用する帯域 770MHz~773MHz(3MHz幅)
端末が使用する帯域 715MHz~718MHz(3MHz幅)

帯域の幅は、他のキャリアと比べて3割程度です。しかしつながりやすい回線を入手したことで、通話や通信品質の向上が見込めることは大きなメリットといえるでしょう。楽天モバイルの法人向けプラン「Rakuten最強プラン ビジネス」の魅力も、ますます高まります。

ノキア製の無線機を採用し、仮想化・Open RANに対応

楽天モバイルでは新たにプラチナバンドのエリアを展開するうえで、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社(ノキア社)が開発した無線機を基地局に採用します。小型で軽量、低消費電力を実現する特長は魅力的です。ノキア社の「AirScale」無線アクセスソリューションを活用して、あらゆる周波数帯域のネットワーク構築をサポートできる特長も見逃せません。

また、楽天シンフォニー株式会社は、次世代分散ユニットの仮想化技術を開発しています。その技術はこの無線機にも採用され、仮想化・Open RANに対応可能です。

楽天モバイルは、1.7GHz帯と700MHz帯の両方に対応するアンテナを設置します。アンテナには、700MHz帯に対応する無線機と1.7GHz帯に対応する無線機を併設。コストパフォーマンスを考慮しつつ、スピーディーに基地局の展開を進めます。

プラチナバンドに関する今後の取り組み

2024年2月27日に公表したプレスリリースにおいて、楽天モバイルは都市部からプラチナバンドの提供を始めることを公表しました。基地局開設にあたってはこれまでの技術を活かしながら、できるだけ早く始められるようコストを抑えて効率的に進めてまいります。割り当てられた帯域を活用したモバイルネットワークを構築し、より高品質なサービスの実現を目指します。

プラチナバンドを活用したより良いサービスの提供に注目を

プラチナバンドを活用したより良いサービスの提供に注目を

つながりやすいプラチナバンドを楽天モバイルも獲得したことで、より良いサービスの提供が期待されます。とりわけ携帯電話やスマートフォンがよりつながりやすくなることは、期待できる代表的なメリットといえるでしょう。楽天モバイルの法人向けプラン「Rakuten最強プラン ビジネス」の今後のサービス向上に、ぜひご期待ください。

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