CPaaS(Communications Platform as a Service)とは?

CPaaSとは、「Communications Platform as a Service」の略で、APIを活用して通信機能に接続するクラウドサービスを指します。

CPaaSを導入すると、音声通話、SMS(ショートメッセージサービス)、ビデオ会議システム、IVR(通話音声応答システム)など、企業で用いられている様々な音声・映像機能を、APIを利用してほかのアプリケーションやシステムと連携させることができます。

そのほかにも、コミュニケーションチャネルごとに異なるサービスを連携させ、オムニチャネル化(あらゆるチャネルを繋ぐことで、購入経路を意識させずに販売する手法)を進めることができます。

CPaaSで利用可能な主な機能

CPaaSでは、通信にかかわるサービス・機能をAPIで提供し、ビジネスシーンにおけるあらゆるニーズに対応します。具体的な機能例は以下のとおりです。

  • SMS送信
  • プッシュ通知
  • メール送信
  • 通話サービス
  • 画面共有
  • IVR自動音声
  • 音声合成
  • ビジネスチャット
  • ビデオ通話
  • 通話録音
  • 音声認識
  • チャットボット など

イメージしやすいように、CPaaSの身近な活用事例をご紹介します。

飲食店で活用する場合、順番待ちをしているお客様に、テーブルの用意ができたことをSMSで通知する機能が挙げられます。自社の順番予約アプリとSMS送信機能をAPI連携することで、優れた顧客体験を提供できるようになります。

APIとは?

CPaaSを語る上で、APIの理解は欠かせません。APIとは「Application Programming Interface」の略で、一言でいうと「アプリケーションの機能を共有できるインターフェースのこと」です。

APIを活用することで、自らプログラミングを行わなくとも 、既存のアプリケーションに容易に新規機能を加えることができます。

また、数あるAPIの中でも、CPaaSから提供されるAPIのことを「コミュニケーションAPI」と呼びます。

その名のとおり、「コミュニケーションAPI」とは、コミュニケーションの手段となる機能のAPIですが、特に「メッセージ系API」「音声系API」「動画系API」の利用頻度が高いとされています。それぞれの特徴を簡単に紹介します。

コミュニケーションAPI図

メッセージ系API

テキストメッセージに関するAPIを指します。メッセージ系APIでは、SMS送信やメール送信などテキストを活用したコミュニケーションツールを構築します。SMSについて詳しくは、「SMS(ショートメッセージサービス)とは?メールとの違い・メリットや送信方法、企業の活用例を紹介」の記事をご覧ください。

音声系API

音声に関するAPIを指します。音声系APIでは、音声通話の応答、IVRなど、音声に関するコミュニケーションツールを構築します。

動画系API

動画に関するAPIを指します。動画系APIでは、ビデオチャットや画面共有など動画を活用したコミュニケーションツールを構築します。

CPaaSが注目されている理由

CPaaSが注目されている理由は大きく2つあります。1つ目は、CPaaSを活用することで、多様化するコミュニケーション手法への柔軟な対応が可能となるから。2つ目は、CPaaSの導入によって、対応のための環境整備にかかる手間や開発コストをカットできるからです。

現在の社会では、業務のシステム化や、BtoB(対企業)・BtoC(対個人)とのコミュニケーション手段の多様化が進んでいます。例えば、ウェブサイト、SNS、メール、電話など様々な手段が存在しますが、どれを選択するかは顧客ごとに異なるでしょう。そのため、顧客と円滑にコミュニケーションを図るためには、全てのチャネルを取り入れて管理することが求められます。

しかし、その実現には管理コストがかかりますし、それぞれの通信機能をシステムに追加したり、アプリと連携させたりするには、ITやプログラミングに関する高度な技術・知識が求められます。IT人材不足が叫ばれる中、管理や開発にかけるリソース不足は、多くの企業が課題としているところです。

CPaaSを活用することで、難しい開発をすることなく、多様化するコミュニケーション手法に柔軟に対応できます。非エンジニアなど、ITに関する専門知識がない人でも通信機能の連携が可能です。その結果、既存のエンジニアはほかのシステム開発へと注力できるようになります。

このような背景から、CPaaSの導入を検討する事業者が増えているのです。

CPaaSでつながる企業と個人

CPaaS導入のメリット

企業がCPaaSを導入すれば、数多くのメリットを享受できます。具体的なCPaaS導入のメリットとして、次の9つが挙げられます。

CPaaS導入のメリット

CPaaSの活用によって、各チャネルとの連携が容易になります。さらに、連携にあたって外部のシステム会社に依頼する必要もないことから、開発コストの削減にもつながります。CPaaSのサービスを導入するだけであらゆる機能を実装できる点は大きなメリットでしょう。

また、CPaaSは拡張性に優れており、必要性に応じて機能を追加できるため、業務効率化や生産性向上にも貢献します。さらに顧客とのコミュニケーションも円滑化・効率化するため、顧客満足度や信頼度向上につながるのもメリットの一つです。

にもつながります。CPaaSのサービスを導入するだけであらゆる機能を実装できる点は大きなメリットでしょう。

また、CPaaSは拡張性に優れており、必要性に応じて機能を追加できるため、業務効率化や生産性向上にも貢献します。さらに顧客とのコミュニケーションも円滑化・効率化するため、顧客満足度や信頼度向上につながるのもメリットの一つです。

CPaaSの活用によって実現できるサービス事例10選

ここでは、実際にCPaaSを活用したサービス10事例を紹介します。事例の中で、自社が応用できる機能がないか、ぜひ参考にしてみてください。

1. システム障害の自動通知

システム障害が発生した際は、対応の早さが重要です。CPaaSでは、SMSやメール、電話の自動送信機能を加えることができます。監視システムなどに自動送信機能を付加することで、異常検知の際は、担当者まで即座に通知されます。

2. 多要素認証クラウド

多要素認証によって、サイバー攻撃や不正アクセスを防ぎます。CPaaSの活用によって、IDやパスワードだけでなく、メールや電話、SMSを組み合わせた認証手段を追加できます。SMSへの認証コードの送信などにより、高度なセキュリティ担保が可能になります。

3. SMS送信によるマーケティング

到達率・開封率が高いとされるSMSの活用によって、多くの顧客に対してメッセージを届けられます。SMS送信は、アンケートの集計、キャンペーン告知、新サービスのプロモーションなど、あらゆるマーケティング活動に役立ちます。

4. コールセンターの運営

ウェブサイトやアプリ内に通話ボタンなどを組み込み、IVRで担当者に電話を転送することができます。IVRとの連携により、手間やコストを削減したコールセンターの運営につながります。

CPaaS導入のメリット

5. 順番待ち呼び出し

アプリにSMSや電話の発信機能を追加し、順番待ちをしている顧客へ通知できます。CPaaSを活用した自動送信により、企業は行列緩和や案内業務の効率化を実現し、顧客は待ち時間を有効に活用できるようになるなど、双方にメリットがあります。現在、順番待ち呼び出し機能は、病院や飲食店など様々な場所で利用されています。

6. 会議室の自動予約

予約システムとアプリを連携し、メッセージ内容から会議室の自動予約ができます。連携しているアプリに予約をしたい日時を送信すれば、予約確定まで自動で行われます。予約者はシステムを開く必要がなく、シームレスに会議室予約を完了できます。

7. 介護施設や病院でのアラート通知

患者さんの身体にセンサーを取り付けて、状態の異変を察知すると、医療スタッフや介護士、家族に自動で通知されます。深夜帯などでも即座に通知されるため、対応遅れを防ぎ迅速な対応が可能になります。

8. コールバッグクラウド

営業時間外などのお問い合わせに対して自動音声で対応し、折り返しの電話予約が可能になります。企業側は、営業時間外に電話をした顧客の機会損失削減に役立ちます。

9. AIボイスメール

自宅やオフィス、スマートフォンなどの留守電をまとめて確認でき、録音されたメッセージをテキストで表示できます。AIが音声をテキストに起こしてくれるので、音声確認が難しい場所にいる場合でもメッセージの内容を把握できます。

10. プライバシー・コミュニケーション

フリマアプリなどで、売り手と買い手が連絡を取り合う際に、個人情報をマスキングすることができます。CtoC(個人間)コミュニケーションが増えている中で、必要以上の個人情報を開示せず、連絡を取り合うことが可能です。

コールセンターの運営

以上、具体的なサービス10事例を紹介しましたが、CPaaSにはほかにも多くのサービスがあります。企業ごとで使用しているコミュニケーションチャネルを確認して、需要に合わせたCPaaSサービスを選定してみてください。

「Rakuten CPaaS SMS API」を使ってCPaaSを利用しよう!

この記事では、CPaaSの基本から活用メリット、具体的な活用事例まで解説しました。現在、BtoBやBtoCではコミュニケーションチャネルが多様化しており、全てを使いこなすには多くのコストや労力が必要です。CPaaSを上手く活用することにより、社内業務効率化や顧客満足度の向上が期待できます。ぜひ、今回紹介した活用事例を参考に、CPaaSの導入を検討してみてください。

最後に、顧客と企業のメッセージやりとりを効果的に行いたい方に向けたサービス、「Rakuten CPaaS SMS API」を紹介します。「Rakuten CPaaS SMS API」は、SMSを一括/個別に送信し、企業と顧客のコミュニケーションに利用できる法人向けサービスです。安全性の高い国内キャリアと直接接続の回線で、シンプルで使いやすいダッシュボードとAPIを業界最安級の価格でご提供いたします。顧客へのキャンペーンや通知を積極的に行っていきたいご担当者の皆様は、ぜひご検討ください。

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